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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第52章 協同逢瀬作戦


「炭治郎!!」

ザッと音を立てて、山の中からいきなり現れる光希。


「え、わっ!光希っ?!びっ…くりしたぁ」

「久しぶりだな!」
「はぁ、はぁ、どうしたんだ?」

驚いた炭治郎は目を丸くしていて、半裸の身体から滝のような汗をかいている。
周りを走ってた隊士達が光希に気が付いてざわつく。


慌てて炭治郎が膝をついて光希に礼をとる。


「あ……、失礼しました!!総司令官殿!」

「……竈門、緊急指令だ。付いてこい」
「はい」

光希は山を走り、罠を気にしながら鍛錬コースから外れる。
炭治郎は付いていく。


途中光希は木に登り、上から鍛錬の様子を見る。

「んー…、ダレてきてるかな。また俺も走るかな。お、足速い奴いるな。いいな、あいつ」

「光希?」

木の下で炭治郎が首を傾げている。
光希が気付いて降りてくる。

「ああ、ごめん」
「いや、どうしたんだ?……ですか?」
「あはは、やめてくれ。敬語なんていらねえよ」
「そ、そうか。緊急指令ってなんだ。どうしたんだ?」

「へへへ」
「へへへ……?」

炭治郎は嫌な予感がした。


「詳細は善逸の家で打ち合わせだ。とりあえず服取ってこい」
「え?……なにを」
「いいから、今日の鍛錬はおしまい。我が家へご招待だ」
「……は?」
「サボるんだよ!へへへ!俺、総司令官だから怒られねえ。大丈夫だ!」


鍛錬馬鹿の光希からサボりの指示が出て、唖然とする炭治郎。

「光希!熱があるんじゃないのか?」
「ねえよ!おい、身体が冷えるぞ。すぐ服着ろ!お前が風邪引くわ!」

光希は手ぬぐいで炭治郎の汗を拭いてやる。

「うわぁ、自分で拭くっ!」
「……なに照れてんだ、ほれ、着替えてこい。俺は天元さん家の方にいるから」

炭治郎は光希の手ぬぐいを首にかけ、走っていった。


光希は宇髄の家で待つ。

着替え終った炭治郎と共に家に向かった。

「なんか光希から嬉しそうな匂いがする」
「ああ。すんごい嬉しい。ずっとやりたいと思ってたことが、やっと出来るんだ」
「何を企んでるんだ?」
「いろいろ!」

その満面の笑みを見て、不安を抱えつつ大人しく並んで歩く炭治郎。


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