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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第52章 協同逢瀬作戦


数日後の鍛錬終わりに光希の鴉が来た。

「指令だ。明日行けるか?」
「! ああ、俺は大丈夫って伝えて」
「了解した。本日中に光希が炭治郎を連れて家に帰る」
「わかった」
「恋柱には俺から伝えておくからお前はこのまま帰れ。これが詳しい指示だ」

鴉は足に付けられた手紙を善逸に渡し、甘露寺の所へ飛んでいった。


「我妻善逸に緊急指令がきたので、二日程休ませろとのことだ」

鴉が甘露寺に説明しているのを聞きながら、急いで帰り支度をする。

……ははは。緊急指令って。あいつ。単なるサボりじゃねえか


指示された紙を見ながら、急いで帰宅して準備する。


帰宅してすぐに掃除をする。いつも綺麗にしているが、初めて家にお客様を迎えるので念入りに各部屋を掃除する。


そして庭に植えてあったなでしこの花を摘んで、玄関の花瓶に挿す。

「……この時期でも咲いてくれてありがとな」

善逸は帰り道で買ってきた食材で、晩御飯の下拵えを始める。




光希は宇髄の稽古場に来ていた。


「天元さん、ごめん、炭治郎借りる」
「なんでだよ」
「大事な用事があるんだ!」

にこにこして話す光希に、宇髄は思わず噴き出す。

「……え、何?」
「なんかお前、派手に嬉しそうだな」
「うん。まあね」
「………さては仕事じゃねえな?」
「バレたか」
「お前が言うなら鍛錬より大事なことなんだろ」
「ああ。すっげえ大事なんだ」

「いいぜ、連れてけ」
「二日くらい借りるね。帰ってきたらめちゃめちゃしごいてやってくれ」
「了解だ。山ん中、楽しそうに走ってるよ」
「ありがとう!」

薄紫色の羽織を揺らしながら山に向かって駆け出す光希。


「すげえな、炭治郎。あいつにあんな嬉しそうな顔させるんだ」


宇髄は頬杖を付きながらそう呟いて笑った。


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