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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第52章 協同逢瀬作戦


そこから三日、善逸は宇髄の元で柱稽古をし、数人の隊士とともに甘露寺邸へと向かった。

「あら、あなたは……」
「……っ!!」

甘露寺に始めて会った時、想像以上の身体に善逸は口を押さえてのけぞる。

……やっば!これはやばいっ!すげえっ!鼻血出そう!!!!


そんな善逸の動揺をよそに、甘露寺は彼のそばにすすすと近寄り「光希ちゃんの…オトモダチだよね?」と耳元でこそこそと囁いた。

総司令官の名前を出すことを憚っての行動だろうが、善逸にとってはとんでもない試練となる。


「ははは、はいっ!!!」

真っ赤になってどもりまくる。


「やっぱりそうだ!鍛錬、頑張ろうねっ!」

甘露寺ににっこりと微笑まれて、今度は「はいっ!頑張りますう!!」と頬を赤らめたまま盛大ににやける善逸。


と、その時窓からどす黒い気配を感じる。


「…………おい貴様」
「ひぃっ……!!!!」

恐る恐る窓辺を見ると、そこにはおろそしい形相を浮かべて善逸を睨む男が一人。殺気がすさまじい。


……この人が『伊黒さん』に違いない


「ぶち殺されたいのか。ああ?甘露寺を見るな触るな近寄るなわかったかこのゴミクズ」
「や、俺は、何も……」
「なんだなんか文句あるのか。本当なら同じ空気も吸わせたくないんだが、仕事だから仕方ない。にやにやしやがって気持ち悪い奴だな」
「……す、すみません」
「何かひとかけらでも不純な想いを抱いたら即粛清だ。光希にも報告させてもらう」
「ひぃぃぃ……」


ここから善逸は、己の欲望と粛清の恐怖との間で、天国と地獄を幾度となく行き来しながら鍛錬に励んだ。

変態レオタードを着て……



……頼むから今は見に来ないでくれ、光希。この姿を見られたら俺はもうお前の前で二度と格好つけられない気がする、、、


そんな願いを込めながら、善逸は曲に合わせて踊る。
必死に甘露寺を視界に入れないようにしていた。


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