• テキストサイズ

雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第51章 休日3


「私、なんだかお婆ちゃんみたい」

背中を擦られながら、光希が笑う。

「光希はきっと、お婆ちゃんになっても可愛いよ」
「ははは、そうかな……」



「年取るまで、ずっと二人で一緒に居ような」

善逸は想いを込めて抱きしめる。


「……………そうなったらいいね」

光希からは想像通りの生返事。




「……、とお!!」

突然、光希が布団から飛び起きる。


「お、おいっ!」
「うぎゃ、いってえ…ひぃ……」

すぐによろめき倒れそうになるところを、慌てて善逸が支える。

「痛いに決まってんだろ、何してんだよ!」
「別になんか大きい怪我したわけじゃないんだから動いた方が治る!気がする!……うぎぎ」
「お前、馬鹿じゃないの。安静にしろよ」
「大丈夫大丈夫。ね?ほら立てた。次は歩ける」
「はあ、もう、お転婆すぎだろ……」

「私は強い!!」
「はいはい」

ギシギシとロボのように歩く光希を善逸が支え、二人で台所に向かった。


誤魔化された。

わかっていたが、善逸は口にしなかった。
どうせ指摘したところではぐらかされる。口で勝てっこない。


仕方ないから誤魔化された振りをしてやる。


……俺の方が兄ちゃんだからな。下の子の我儘には付き合ってやるよ。
でも、死ぬことだけは許さないからな


善逸は、よろよろと歩く光希の肩を力強く支え直した。


/ 1083ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp