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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第51章 休日3


「ごめんな、光希」
「いいって」

光希は善逸の背中に手を回して、ぽんぽんと叩く。


「幸せだったから、いいの」


善逸の耳元で聞こえたその言葉に、彼の顔もカッと赤くなる。


「………お前さ、そんなこと言っていいの?危ねえぞ」
「いや、この状態で襲われたら考えるわ。……いろいろとね」
「怖っ!お前怖っ!何考えるのさ、やだあ!」
「あはは」


善逸はそっと身体を離す。
黄色い眉毛を下げて苦笑いを浮かべているが、心の中はしっかりと喜んでいるのだとわかる。


「ご飯あるけど、食べる?」
「んー……」
「食欲ないか?」
「うん。でも少し食べる。せっかく善逸が作ってくれた愛情ご飯だし」

「……俺はそんなことを言う可愛い光希を食べたい」
「よし、考えをまとめていくか」
「ねえごめん、ほんとに。やめて」


………幸せだなあ

光希はぼんやりとそう思った。

自分の隣で善逸が座って楽しそうに笑っている。その光景を眩しそうに見つめる。


「じゃあお前、動けねえからここに……、ん?どした?」

善逸が、その目線に気付いて不思議そうに首を傾げる。大きな目が光希を覗き込む。


「いや、何にも」
「?」
「……動けないから、起こして」
「はいよ」

善逸は光希の伸ばした手を掴み、ゆっくり引っ張る。

「い、いたたた……」
「大丈夫?どこが痛いの?」
「背中と腰と………お腹」
「そっかぁ、よしよし……」

布団に座って痛そうにする光希の背中を、善逸が優しくさする。


「ふぅ……うん、ちょっと良くなった気がする。ありがとう」

「俺は特効薬だもん」
「……その特効薬によってもたらされた症状なんですけど、これ」
「あ、常用してると副作用でるの、これ」
「なら、使うのも考えものだね……」
「いやいや使ってくださいよ、おすすめ商品なんで。お姉さん美人だから安くしとくよ」


二人でふざけ合う。


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