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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第49章 休日


……なんだってんだよ、ちくしょう。俺がどんな気持ちでいるのかわかんねえくせにっ!

宇髄が去った後、善逸が額を抱えて苛々してると光希が顔を覗きに来る。


「おい、大丈夫か?」
「………光希」
「足が痛いのか?具合悪い?」

光希が心配顔で見つめてくる。近い距離だ。

先程の宇髄の言葉が頭に響いてきて、カッと顔が赤くなる。


「何でもねえよ」

ふいっと顔を逸らす。


すると、「おい、光希ー!」と呼ばれ、彼女は善逸を気にしつつも走っていってしまう。


とても落ち込んでるようには見えない光希。いつも以上に笑い、ふざけている。
しかし、音を聞くと寂しげで不穏な感じがしている。


……確かに相当疲れてるな。休ませないと


善逸はのっそりと立ち上がって帰り支度をする。



夕飯が終わると隊士達は解散となり、それぞれの拠点に帰った。


「紋逸、お前どうすんだ。一緒に蝶屋敷に帰るか」
「善逸な。俺は家の方に帰る」
「なら、光希と一緒か」

「え?」

隣にいた玄弥が声をあげる。

あ、と思う善逸。

「そっか、知らなかったか。光希は俺と住んでんの。皆には内緒な」

善逸は小声で玄弥に伝える。

「そうなんだ。お前ら仲いいもんな」
「……まあな」

玄弥は兄弟として住んでると思っているようだ。ま、いっかと思っていると、伊之助が告げる。

「こいつら恋人同士ってやつなんだぜ」

「へ?」

「こら!伊之助!」
「言っちゃ駄目なのか?」
「まあ、こいつにならいいけどよ……他の奴らの前ではやめてくれよ」

「えええっ?」
「まあ、そういうこと。これも内緒な」

「お前、男が好きだったのか……意外だ」


ここまできても光希が女だと思い至らない玄弥。苦笑いする善逸。


……あいつの化けっぷりもなかなかのもんだな


説明する間もなく、玄弥は首をひねりながら帰っていってしまった。


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