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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第49章 休日


夕方になるまで鍛錬をして、宇髄の家で夕飯をいただく。負傷した隊士以外のほとんどが残っていたので、皆で夕飯を食べる。


「なんだよ、早くに鍛錬終わらせてやったのに、こんなに残りやがって……とっとと帰って休めばいいのに」
「せっかく如月さんがいるのに帰れませんよ!なあ?」「おう!」

隊士達が盛り上がる。
光希が苦笑いをしながら頭をかく。


「いや……飯のときは、普通に喋ってください」

「え……いいのですか?総司令官なのに…」
「はい。上層部には内緒ね。怒られちまう」

口元に指を当てて悪戯っぽく笑うと、皆が頬を染める。

和気あいあいと食事をする。



善逸は一人離れてぽつんと座り、ちびちび食べている。


「お前も大変だなぁ」
「……宇髄さん」

善逸の隣に、どかっと宇髄が座る。


「進捗状況は」
「え……、ああ、はい。えと、色々俺なりに考えてやってますよ。大丈夫です。多分」

特別指令の事だろうと思い至って、善逸は答える。


「そうか。引き続き、頼む」
「……はい」

そう言って、善逸は膝を抱える。


「何、落ち込んでんだ」
「別に」
「落ち込んでんじゃねえか。あいつが心配してるぞ。ちらちら見てる」
「わかってますよ……」

「お前が落ち込んでる場合じゃねえ。あいつはもっともっと落ち込んでる」
「……なんでもわかるんですね、光希のこと」
「俺は大人だからな」

「……俺はガキだから、あいつを守れない」
「ガキだからじゃねえ、弱いからだ」
「………」
「炭治郎なら守るぜ、あいつを。従兄弟なんだってな、あいつら」
「………」
「負けてんじゃねえよ」
「わかってますよ」

「とりあえず連れて帰って、明日しっかり休ませろ」
「とんでもなく難しい指令ですよ、それ」
「だからお前に頼んでんだろが」

ムスッとする善逸に宇髄がにやりと笑いかける。


「今夜抱き潰せばいい」
「は……?」
「そうでもしないとあいつは休まない」
「……え、いや、あの…」
「あいつの頭を真っ白に出来るのはお前だけだ」
「……、」

「自信がないなら俺が代わるぞ」
「……! ふざけんなっ!!」

思いの外大きな声が出て、皆が振り返る。
しまった、と口を抑える善逸。

「緊急指令だ。任せたぞ」

宇髄は去っていった。


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