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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第48章 柱稽古


光希は解散を指示したが、半分以上が残って自主練習をしている。

そんな光景を、家の中から宇髄と光希が見ていた。


「……いやぁ、派手に驚きだぜ。ここまで士気があがるとはな。あいつらが自主的に鍛錬するところなんて初めて見たぜ」
「元々隊士達は意識の高い人が多いからね。そこを少しくすぐってやればこんなもんよ。ちょろいぜ」
「お前……」

宇髄が苦笑いする。
光希は言葉とは裏腹に、優しい眼差しで窓から外を見ている。


「ほらよ」
「おお、ちゃんと見といてくれてありがと、天元さん」

光希は宇髄から渡された紙を見つめる。
十数人の名前と呼吸が記されている。


「周りに指示を出してた奴が丸、いい動きをしてたやつが四角な」
「この二重丸は?」
「最後に穴に入ってお前の布取ったやつ」
「あの先輩、こんな名前だったんだ」
「……知り合いかと思ったが」
「名前は知らなかった。きりがないから、いつも名前聞かないの」

光希は紙を見る。


「水と炎が多いな。風が少ない……」
「使っている人間の多さに比例すんだろ」
「なるほど」

「で、こいつらを小隊長にしていくってことでいいんだよな、軍師様」
「ああ。名前がわかってるっつーことは、本人たちには声かけてるんだよね?」
「ああ。終わった後にさっき聞いた」
「まだ残ってるかな。俺からも声かけたいな」


宇髄は戦闘中、光希からの依頼で上に立てそうな隊士を選出していた。有効な策を考えて動こうとした者、積極的に仲間を助けた者、周りに指示を出せる者、その辺りが選考基準となっていた。

光希は隊士の名前と顔が一致しないため、宇髄に案内されて、紙に名を書かれた隊士に声をかけていく。全員が残って鍛錬しており、宇髄の目に狂いはないとわかる。

光希に直接褒められて、その者達の士気があがる。そしてまた、周りの者も頑張れば認めてもらえるのだと奮起した。


「お前あの訓練の中に、いくつ目的をしこんだんだ」
「へっへっへ。いっぱいだ!まずは体力向上だろ?で、仲間意識、諦めない心、絶対に勝つという意識、騙されないこと、状況判断、と軍団長の選出。ははは、盛り沢山だ」


「まだ、あんだろ。大事なやつが」
「………へへ」


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