第48章 柱稽古
「天元さん、提案がある」
光希は宇髄としばらく話をして、宇髄は笑いながら頷いた。隣で光希も笑っており、その後でくくっとほくそ笑んだ。
その姿を見ていた善逸は冷汗を流す。
絶対、何か企んでる……
「ではこれより、午後からの鍛錬を始める!」
宇髄が声をかけると、皆が集まってくる。
隊士達は膝を着き、頭を下げる。
「本日の午後の鍛錬はいつもと違うものにする!詳しくは総司令官より説明を受けよ!」
宇髄はそう言って光希と交代をする。
「これより、鬼ごっこならぬ、鬼刈りごっこを行う!」
光希がそう叫んだ。
……また妙な事を考えやがった
頭を下げながら善逸は苦笑いをした。
「鬼は俺だ。それと…、我妻!」
突然名前を呼ばれて驚く善逸。
「えっ、は、はい!」
「嘴平!」
「おう!」
「不死川!」
「はい!」
「お前らは俺と同じく鬼だ。こっちに来い」
戸惑いながら、光希の隣へ行く。
「制限時間は一時間。俺たちを捕まえて、……これを奪え」
光希は持っていた手拭いを縦に四本に裂き、彼らに渡す。
一本を自分の腕に巻きつけて口を使ってきゅっと縛る。
三人も同じように腕に巻きつける。
「俺以外の三人を捕まえて布を奪えば、お前らの勝ち。また、俺一人の布を奪ってもその段階でお前らの勝ちだ。
俺たちは鬼だ。首がこの布だと思え。布を取ることが勝利条件だ。
百三十人対四人……有利すぎて、怖いかな?」
光希が不敵な笑みを浮かべる。
その笑顔に隊士達はぞっとする。
「俺たち四人は、ご存知の通り新人だ。先輩の意地を見せてくれよ」
にやりと笑い、隊士たちを煽って説明を続ける。