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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第48章 柱稽古


「……っ!」

目を覚ますと、台所に寝かされていた。


「あ、起きましたね、光希ちゃん!」
「雛鶴さん……」
「倒れちゃったから、ここで寝てたのよ」

雛鶴は優しく微笑みかける。


「うぎっ……」

身体を起こすと、痛みが走る。
筋肉痛でぷるぷると震える。

「光希ちゃん、また無理したのね」
「……いいえ?今、何時ですか?」
「全くもう……この子は。そろそろお昼よ」

台所ではいい匂いがしている。


「外ももうすぐ休憩になると思うわ」
「わかりました」

身体にかけられていた羽織を着て、外に出る。


走り終わった隊士達が、吐きながらそこかしこに転がっている。


……おお、地獄絵図



光希が現れたので、皆、姿勢を正す。


「いや、疲れてるときにはいい。楽にして」

笑顔で制する。


端の方でうずくまり、一人で吐いてる隊士の背中をさする。

「如月様、汚れます」
「気にすんな。吐いたらお水、ちゃんと飲んで。脱水になる」
「……はい。うぅ……ありがとうございます」
「そこ、寝ながら吐いてる!顔、横に向けてあげて!」

介抱しながら、周りにも指示を出す。



「昼飯だ!走り終わった奴から食え!一刻後に鍛錬再開だ!」

宇髄の声が響く。


……この状況で?食ったら吐くだろ


光希はそう思って笑う。
宇髄の隣に駆けてくる。

「鬼」
「はぁ?こんくらい当たり前だろ」
「ははは、まあね。午後からは何すんの?」
「障害物ありの走り込み」
「楽しそう!」
「午後もやんのか」
「当然。鈍っちゃってしかたないよ」


隊士たちは、まきを達が作ったおにぎりにむらがり、むしゃむしゃと食べている。

「……すっげえ。皆、食ってるよ。マジかよ」
「食わなきゃ身体動かねえだろ」
「俺は食ったら動けねえ」
「一刻ある。少しでも食え」
「……はあい」


光希は伊之助を見付けて走り寄る。


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