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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第48章 柱稽古


光希は生理中の三日間を産屋敷邸で過ごす。

悲鳴嶼と軍議をし、細かいことを話し合う。
軍議には輝利哉も同席させて、実践さながらに教えていく。

軍議の後に兵法指南をする。


「輝利哉様、よく理解していらっしゃいます」
「本当か、光希」
「はい。驚きました」
「正直、本は挫折しそうだった」
「でしょうね。よく頑張りました」

光希は、微笑みながら輝利哉の頭を撫でる。

「俺も、読むのに何ヶ月もかかってますから」
「……光希は意地悪だ」
「ふふ、策士は得てして皆、意地悪ですよ」
「光希の師範もか?」
「……意地悪の最たる例ですね」
「ははは、なら私も光希みたいになれるかな」
「血反吐を吐けば」
「…そこは『必ずなれます』と言うところではないのか」
「ははは。俺は、意地悪ですから。それに、目指すところが俺程度であっては困ります」

「……私は、血反吐を吐く」
「はい」
「そして、必ず鬼を倒す」
「はい」
「力を貸してほしい」
「はい。俺のやり方になってしまいますが、出来る限り指南いたします。時間がないので大急ぎとなってしまいますが……」


輝利哉はぐっと口を結ぶ。


「私に……出来るのだろうか」

己の小さな手をじっと見つめる。

「一つ、許可を出しましょう」
「え……?」
「俺が、師範から許されなかったことです」
「何だ」

「泣いても、いいですよ」

光希は輝利哉の手を、両手でそっと包み込む。

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