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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第48章 柱稽古


翌朝、善逸は口付けをして光希を送り出し、溜息をつきながら蝶屋敷へと向かう。


隊をあげての稽古である。
しかも、柱の指導の元。

善逸がげんなりしないはずがない。

……はぁ、やだな


善逸は指示された通り、しのぶからたんまりと薬を受け取る。「すんげえ怪我すんぞ」と言われている気がして、げんなり感が増した。

出発前に、炭治郎の部屋に顔を見に行く。


「凄いな、柱稽古か!」

「格上の人と手合わせしてもらえるって上達の近道なんだぞ」

善逸は頬を高揚させて喜ぶ炭治郎に苛ついて、ゴリィと音をさせて頭を噛む。


「そんな前向きなことを言うんであれば、俺とお前の仲も今日これまでだな!!」

光希がこの場にいたら盛大に突っ込んだであろう言葉を発し、ぷんすかした。

何故前向きな事を言ったことで友情を切られるのかわからないが、炭治郎はとりあえず「ごめんごめん」と謝った。もはやどちらが年上なのかわからない。


そして、

「前に善逸が教えてくれてた雷の呼吸のコツを使って鬼の頚が斬れたんだ。
もちろん善逸みたいな速さではできなかったけど 本当にありがとう」

と炭治郎に褒められて、

「馬鹿野郎、お前っ……そんなことで俺の機嫌が直ると思うなよ!」

とわかりやすく機嫌が直った。


これもまた、光希がいたら盛大に突っ込んだであろう。



機嫌が良くなった善逸は、薬を大量に持って宇髄の所へ向かった。


そして、着いた先はまごうことなき地獄で、気絶しそうになるのだった。



「よう、ご苦労さん」

ガタガタと震えながら宇髄に薬を渡す。
その間にも、「おらぁ、もっと気合い入れて走れよ!」と宇髄の怒声が飛び交う。


「さて、お前も走れ」
「はい」
「光希の恋人なんだからなあ。あいつらより走れなきゃ駄目だわなあ」

……うわぁ、目が笑ってねぇ


善逸は盛大に顔を引つらせて走り出す。


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