第47章 炭治郎
善逸が光希を迎えに行くと、丁度しのぶの部屋から光希が出てきた。
「どうする?光希。帰るか?」
「うん。帰ろ、善逸」
炭治郎と光希のやり取りは、かなり善逸を疲弊させたはず。
光希は善逸をフォローするために、隠れ家への帰宅を選んだ。
夕方に隠れ家に到着した。
気が緩んだのか、腹痛が光希を襲う。
そこへ鴉が飛んでくる。
手紙を読む光希。
「善逸。私、明日、本部に戻るね」
「えっ…でも、身体がまだ……」
「気合で頑張るしかない」
「……そっか。心配だな」
「善逸は明日から柱稽古ね。他の隊士にも今日通達があったんじゃないかな。これ、天元さんの稽古場。到着が遅れてもいいから、蝶屋敷に寄って胡蝶さんから傷薬持ってきてってさ」
「うん……わかった」
善逸は光希をぎゅっと抱きしめる。
「しばらくまた光希と離れ離れになるんだね」
「そうだね。寂しいなあ……」
「また、補給しに帰ってきてね」
「うん」
善逸の腕が緩んだところで、少し身体を離す光希。
「……?」
善逸が不思議に思って光希を見ると、彼女は頬を染めて上目遣いで彼を見つめている。
「……っ!」
その可愛らしさに、息を呑んで仰け反る善逸。明らかに口付けのおねだりだとわかる。
「……とりあえず善逸で一杯にしてから、出発したいな。出発まで、沢山補給させてね」
「……っ、光希!」
善逸は光希を強く抱きしめた後、口付けをした。しっかり自分を求めてくれてることに喜びを感じて、何度も口を重ねる。
不安になったとき、必ずこうして愛を示してくれる彼女にありったけの感謝をしながら。