第47章 炭治郎
詳細はわからないものの、炭治郎は善逸に味方をすることにした。こんなに必死になるなんてよっぽどなのだろうと思ったからだ。
「光希、全部終わったら、一緒に行こう。善逸も一緒に。な」
「炭治郎…でも……」
「ごめん。俺は今、家には帰れない。終わるまで帰らないと決めてる。だから、光希を墓に案内してやれないんだ」
「地図、書いてよ。俺、探すからさ」
「隠されてるんだ。目印とかが何もない」
嘘が付けない炭治郎。そこは本当なのだろう。
「…………」
「光希、行かないわけじゃないんだよ」
「……教えてよ」
「終わったら、一緒に行こう。皆で」
炭治郎が優しく話しかける。
どちらも譲らない。
「俺、どうしても今、行きたいんだ」
「ごめん、今はどうしても行けないんだ」
頑固なのは血筋なのか。
善逸も説得に加わる。
「光希、終わってからだ」
「叔父さんも叔母さんも、待ってくれるよ。のんびりした方たちだっただろ」
「光希、全部終わってから皆で行くんだ。刀なんか持たずにな。
炭治郎も禰豆子ちゃんも、お前の両親とは血縁なんだ。一緒に墓参りしたいに決まってる。なあ」
「ああ。そうだぞ、光希」
「だから、また今度。な」
「……わかったよ。二人がかりは、ずっこいぞ」
光希は、拗ねながらも一応納得した。炭治郎に迷惑をかけるわけにはいかない。
それに、炭治郎が口を割らない以上、この先へは進めないとわかっている。
その光希の様子に、男子二人は苦笑いしながらもほっとする。