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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第6章 蝶屋敷 2


光希は客間での話を皆にした。
善逸はずっとそっぽを向いていた。

「と、いうわけなんだ」
「寂しくなるな……」
「そうだな」
「別に俺は寂しくなんかねぇ!!」
「はは、俺は寂しいぞ伊之助」

善逸が一言も喋らない。


「善逸」

近付いて、話かける。

「なんか言えよ、善逸。おい」
「………。『なんか』」

光希は、やれやれと首を振って善逸から離れる。


「出発は明日だ。俺は準備があるから、部屋に帰るわ。じゃな」

そう言って光希は部屋から出ていった。


「善逸」
「んだよ」
「流石に今のはないだろ」
「………」
「いじけてても、なんにもならないだろ」
「………」
「ちゃんと、話せよ。今日中にな。光希だってきっといろいろ不安なんだぞ。これから、……男と住むんだからな」

炭治郎がそういうが、善逸はぷいっと顔を反らす。


……わかってる。わかってんだよ。だけど、ちょっと待ってくれよ。気持ちが追いつかねぇんだよ



光希はアオイに話しかける。
お世話になったお礼と、男子たちを今後ともよろしくと伝える。
なほきよすみの三人は光希に抱きついて泣いた。

カナヲの部屋にくると、寂しそうに座っていた。

「カナヲ」
「…光希。屋敷、出るの?」
「うん。今までありがとう」
「そう……」
「仲良くしてくれてありがとう。俺、女友達って今まで居なかったかも。嬉しかったよ」
「私も。ありがとう」
「また会おうな」
「うん。またね」
「あと……」

そう言って、光希はカナヲに近付いて耳打ちする。

「炭治郎のこと、よろしくな。あいつ、すっげえいい男だから」

カナヲは、ん?といった反応だった。
それを見て、成就までの道のりは長そうだな、と思う。

「じゃな。落ち着いたら手紙書くよ」

そう言って部屋から出ていった。


これでちゃんと話せてないのは、あの金髪だけか。
光希は善逸の動揺と混乱をわかっていた。


……まだ、無理だろ。もうちょっと待って、声かけてみっかな


そう考えながら部屋に戻る。
荷物をまとめはじめた。


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