第47章 炭治郎
炭治郎を睨み、威嚇をする善逸。
「はいはい、善逸落ち着いて。な?」
「…………」
「ほら、そんな顔で睨まない」
「ちぇ……」
善逸はしぶしぶ光希を離す。
「と、いう訳なんだ炭治郎。驚いたろ」
「ああ。とんでもなく驚いたよ。それこそ心臓止まるかと思った」
「あはは、心臓止めんなって。禰豆子と俺を置いてくな」
「ははは」
炭治郎が光希の頭を撫でる。彼女も嬉しそうに撫でられている。
善逸もそれは許してやって、黙って二人を見ている。
伝えられた安堵なのか、彼女から緊張はなくなっている。
優しい雰囲気が二人を包む。
それは、恋人同士の甘い雰囲気ではない、ほんわかしたものだ。
「ははは、嬉しいな……調べてくれて、ありがとうな…光希」
「うん、どういたしまして」
頬を高揚させて笑い合う二人。
………ああ、そうか。纏っている空気が同じなんだこの二人は……。これが、血の繋がり、か……
善逸は、思わず心が折れそうになる。
でも、善逸は負けないと決めた。
目を逸らさずに、その様子を見ている。