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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第47章 炭治郎


善逸はピクッと反応するが、まあ…このくらいなら、と見逃してやる。


「信じ…られない……」
「でも、本当なんだよ」

「まさか……、禰豆子以外に、俺にまだ…血縁者が生きてたなんてな……もう誰もいないんだと思ってたから……」
「俺も昨日知った時、びっくりしすぎて心臓止まるかと思った。俺も、もう誰も血縁はいないと思ってたから」
「ははは……心臓、止めてくれるなよ。せっかく……せっかく、わかったのに」


炭治郎が目を潤ませながら、頬に置いていた手を彼女の肩に回し光希の身体をそっと抱き寄せる。

善逸がピキッと青筋をたてる。
しかし感動の再会中なので、空気を読んで一応我慢する。


「嬉しいな……俺は、凄く嬉しいよ、光希。言葉では言い表せないくらいだ。こんな事があるなんてな」
「炭治郎、俺も嬉しいよ」

「光希……」


炭治郎が両手でひしっと抱きしめた所で、善逸の限界がくる。



「はいっ!そこまでーっ!!」

善逸が髪を逆立てて、光希をべりっと炭治郎の腕の中から取り返す。


「善逸、なんだよ!」
「もーー駄目っ!!これ以上は駄目ね!いくら従兄弟でも許しません俺は!こいつ俺のなんでね!返してもらう!!」
「いいだろ、別にこのくらい!」
「このくらいってなんだ!こいつめ!堅物デコ真面目のくせになんだよっ!!」
「別に、何にもしない!」
「いやもうしてんだよ!……お前それ、こういうこと出来んなら、もっと積極的になるべき相手がいんだろが!相手が、違うだろっ!」

「いや…光希は、別に恋愛感情とは違うから……」
「あったりめえだーー!!恋愛感情があったらそれこそ許さねえわ!……お前案外手ぇ早いのな。油断ならねえ」


炭治郎と善逸が言い合う間、光希は善逸の腕の中で笑っていた。


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