第46章 生家へ
門を出た所で、光希が座っていた。
ブロック塀に持たれて、ずっと待っていたようだ。
「頭の整理は終わったの?」
「……光希!」
光希は立ち上がって善逸を見る。
「自分でちゃんと出来た?」
「たぶん出来た!」
「私、竈門さん家の子になっちゃってもいいの?」
「嫌だ!絶対、駄目だ!」
「でしょ?」
「うん。ごめん。ごめん……光希」
やっと善逸の目から涙がぽろぽろと溢れた。
「ずっと……気になってて…心配してたことに、決定打を出された気がしちゃって、俺…不安になっちゃって……」
「わかってるよ」
「でも俺、どうやって考えても、やっぱどうしても光希を手放すって結論にはならなかった。光希にとってはその方がいいのかもしんないけど…、お前を炭治郎にやる訳にはいかない」
「よし、時間かかったけど、ちゃんと自分で整理出来たね。偉いぞ」
光希が善逸の頭をぽんぽんと叩く。
「帰ろ、善逸」
光希はそう言って微笑みかけて、善逸は泣きながら力強く頷いた。
「光希、待っててくれて、ありがと」
「どういたしまして。背中が痛いよ」
「ごめんね」
「いいよ。いつまでも待つよ。せっかちだから待つのは苦手だけど、善逸のことなら待てる。私の…一番大切な人だからね」
二人は手を繋いで家へと帰った。