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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第45章 訪問者


「虐められなかったか?」
「はは、ちょっとな」
「何言われた」
「……ちょっとな」
「ふうん」

光希は玄関で善逸を出迎える。

善逸は笑顔を見せながらも少し元気がないので気にはなったが、言わない以上追求しても彼を苦しめるだけだと判断して、光希は聞くのをやめた。

その代わりに首に手を回して口付けをした。

善逸も答えてくれる。


大丈夫か、大丈夫だよ、そのやりとりを無言でする。



そこへ光希の鴉が飛んできた。

「光希、竈門炭治郎が目覚めた」
「! 容態は?」
「全く問題ない。足は骨折していて歩けないが」
「良かった。報告ありがとう」


ほっと安心する光希。

「炭治郎、良かった。あんの寝ぼすけ」
「やっと起きたか。良かったな。会いに行くか、光希」

「……いや、大丈夫ならいい」

光希は首を振った。


「え?即座に飛び出してくと思ったのに」
「今度行く。今日起きたんだろ?一週間振りに。なら、今は…カナヲの出番だ」
「ああ、そっか」

にやりと笑う光希。


「お邪魔虫は、少し様子を見よう。ふふふ。伊之助連れだしてどっか行ってもいいくらいだ」
「伊之助は案外空気読むから大丈夫だろ」
「まあな」

「炭治郎のところに行くのは、……そうだな、二日後にしよう」
「やけに具体的だな」
「今日は俺んち……私の家に行きたい。いい?」

善逸はひやりとする。
これは、死支度だ。


「冨岡さん家はいいのかよ」
「ああ。迷ったんだけど、月役来るし」
「……なるほど、激しい鍛錬は出来ないかもな」
「だからこの隙に行っときたい。今お昼だから、帰りは夕方か、もしかしたら宿屋で泊まりかも。いい?」

「いい、よ」

端切れの悪い善逸の返事に、光希は疑問を持つ。


「どうかした?用事あった?」 
「い、いや、大丈夫大丈夫」
「……私、一人でも行けるよ?」
「だ、駄目だ!一緒にいく!約束したろ!」

「……? わかった。準備してね」


光希は疑問符を浮かべながら自室へ入っていった。

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