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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第45章 訪問者


……やはり、光希は死のうとしてる


一度でも誰かを見捨てるという判断をしたら、光希は己の命を断つつもりなのだ。


ぞっとする。

戦いに勝っても負けても、彼女はこの世から消える。戦いが始まったときから死へのカウントダウンが始まるのだ。

だが、そんなことがあってはならない。


……考えろ。俺にしか出来ない指令だ。俺ならやれる。ずっとあいつの側にいて、最大の理解者である俺なら、絶対に出来るんだ


言い聞かせる。


……光希に頼らずに考えて、必ず見つける。あいつが、思い残すことを


善逸は隠れ家に向けて歩き出した。




家では光希が、縁側で考え事をしていた。


……天元さん、善逸に何の用だったんだ。あの人頭いいからな。妙なこと吹き込んでなきゃいいけど



庭ではためく布団を見る。


……牽制しすぎたかな


わざわざ布団の見える部屋に案内し、抱擁や口付けを見せ付けた。

宇髄を信頼してない訳ではないが、念の為に見せた。それと同時に、善逸へ安心感を与える為に光希はあの行動をとった。

二人に向けた「俺は善逸のものだから」のメッセージだ。


……ちょっとやり過ぎたかもしれないけど、いっか。……まあでも、人前でああいうことをやるのは、やっぱり抵抗感はあるな



光希は庭に出てまた鍛錬を開始する。


居合い切りに水の呼吸をまとわせて放つ。
ゴオッという音と共に、威力が上がる。

濃紺の刀が何度も庭で振られ、その度に風圧で布団が翻る。


「やっぱり庭じゃ無理あるな。義勇さんとこ行こうかな…でもな……」


そう呟いた時、善逸が帰ってきた。

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