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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第45章 訪問者


翌朝、やはり光希は早く起きて朝食を作り、起きてきた善逸と一緒に食べる。

善逸補給、とやらは終わったようで、いつもどおりの距離に戻る。
精神的に安定したようで、善逸はほっとするが、その反面少し寂しく思う。


食べ終わると光希は隊服に着替える。

「どっか行くのか?」
「いや、庭で鍛錬。着物じゃ動けないから」

善逸はほっとする。
もう本部へ戻ってしまうのかと思った。


「午後から、義勇さんとこ行こうかな……」

庭に出ながらそう呟く光希に少し焦る。


「ちょっとここでゆっくりしろよ」
「んー……、まあ、少し様子見るよ」

光希は鞘を右手で持ち、左手でヒュンと何度か居合い切りをする。


「おお!速くなってる。抜刀の角度をもう少し内側にした方がいいかも」
「内側へ?」
「お前、腕が短いから。……や、馬鹿にしてるわけじゃないぞ!身長の問題な!」
「いや、そんなに気を遣うなよ。なるほどね」
「あとは、抜くときの足の位置を……、えっと、逆だからわかりにくいな」

善逸は、光希の隣で教えてくれる。


助言通りに居合い切りを放つと、確かに速さがあがった。


「おお!こっちのがやりやすい!」
「相変わらず、すぐやれるのな。凄えな」
「俺の飲み込みの早さと、善逸の教え方の巧さだな」

へへ、と嬉しそうに笑う光希。



「じゃあ、水とどうやって……」

そこまで言って、不自然に言葉を区切る。
善逸の耳も音を捉える。


「誰か来たな」
「ちぇ……、せっかく面白くなってきたのに」

光希は刀をしまう。


そのまま庭から門へ行く。


「……何しに来たの?」
「お前の顔を見に来たんだよ」
「んなら、お引き取りください。もう見たでしょ」

「つれないな。家、入れてくれよ」


善逸が玄関を開けて顔を出す。


「宇髄さん、どうぞ」
「どうも。お邪魔するぜ」


宇髄は玄関に入る。
玄関に座って草履を脱ぐ宇髄を見下ろす光希。


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