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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第44章 補充※


ご飯も何時は向かい合わせで食べるのに、今は隣合わせ。身体をくっつけて食べている。

「ねえ、光希……どうしたの?」
「うっとうしい?嫌だ?」
「い、いやそんなことはないけど……」
「くっつきたいの。私の中の善逸が足りない。だから補給してるの」
「俺の、補給?」
「そう。くっつくと補給できるの。えへ」

にこっと笑う光希。
こんなに光希からくっついてくるのは初めてなので、善逸も嬉しく思う。


「ご飯、美味しいね」

……可愛いなあ


頬を緩ませる善逸。しかし、光希のこの行動に不安も感じる。

……何かあったのか?まさか、誰かに手え出されたか?

考えていると、「ごちそうさま」と食べ終わる光希。食器を水に浸け、また隣に戻ってくる。

机に顔を伏せ、目だけ善逸の方に向けている。

その上目遣いに、ぞくりとする。


しかし、次第にその目がトロンとしてくる。

「眠いの?」
「おかしいなぁ、さっき寝たのに」
「疲れてんだろ。寝てきていいよ」
「……あ、わかった。そっか。だからか」
「ん?」
「月のものが、近いんだ。だからやたら眠いんだ」
「そ、そうか。寝といで」
「うん、じゃ、横になってくる」


久々の夜、やたらくっつかれる、極めつけは生理直前…つまり安全日。これだけの条件が揃っていて、我慢できる男がいるのだろうか。

善逸は今夜断られたら、我慢大会のときのように別の部屋で寝るしかないと思った。


食器を片付けて、風呂に入る。
歯磨きもして、寝る準備をする。

夜が更けていく。



部屋に戻ると布団で光希が寝ていた。

自分の布団を引っ張り出して隣に敷き、まだ寝るには少し早い時間ではあるが布団に潜り込む。

とりあえず、頬杖をついて光希を見る。
燭台の灯が、光希の顔と善逸をゆらゆらと照らす。


善逸は、そっと光希の布団に入り込んだ。


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