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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第44章 補充※


善逸は風呂を沸かしてくれて、ぼんやりしながら光希は入浴する。

そのまま布団に倒れ込み、寝る。


善逸はまだ少し濡れている光希の髪を、起こさないようにゆっくりと手拭いで拭く。

……光希、相当疲れてる。そんな中、走って帰ってきてくれたんだな。俺のところへ…


抱きしめたい衝動にかられるが、寝かせてあげたいので我慢する。


……痩せたな。どんだけ無理してんだ、こいつ

指で頬を撫でる。くすぐったいのか、光希は少し身じろぎした。
起こしたかと思って慌てて手を引く。

しかしそのまま起きることはなく、「勝つんだ…絶対に……」と小さく呟いた。


「ここに帰ってきた時くらい頭休めろよ……」

善逸は苦笑いしながら、そっと頬に口付けを落とした。



一刻程して、光希が目覚める。

「あれ…俺、えっと……」

珍しくぼんやりしている光希。
隊服じゃなくて、部屋着を着ている。

……ああ、そうか。帰ってきたんだった

ぐぅーっと、伸びをする。


「めちゃめちゃ寝た。久しぶりだな」

すると、廊下をぱたぱたと走る音がした。


「光希、起きたか?」
「ああ、もう夕方なんだな。ごめん、俺、あまり覚えてない……」
「俺が帰ってきたら玄関で倒れてて、驚いた」
「おお……それはそれは……、で、風呂に入った記憶がほんのり……」
「風呂に入らなきゃ寝ないって騒いだんだ」
「全く覚えてない…無意識だな……」
「で、そのあと爆睡な」

冷汗を流す。


「迷惑と、心配をかけてごめん」
「ううん。帰ってきてくれてありがとう」
「ただいま、善逸」
「おかえり、光希」

二人は久々の口付けを交わす。


唇が離された後、ぎゅっと抱きしめられる。光希も善逸の背中に手を回し、目を閉じてしがみつく。


「ご飯、出来てるよ」
「ありがとう。何から何まで」
「いや、いいんだよ。俺がしたくてやってんの」
「……でも、ごめん、もう少しこのままくっついてたい。安心するの」


少しの間抱き合い、手をつないで台所に行く。


善逸は軽くご飯を温めて、準備してくれた。光希はずっと善逸にくっついて回っていた。


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