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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第43章 覚悟 2


「さて、柱五人と、天元さんで柱稽古です。よろしくお願いします」

「……冨岡も困ったものだな」
「はは、悲鳴嶼さん、言ったでしょ?義勇さんはやらないって」
「テメェ、わかってたのかよ」
「ええ、まあ。あの人、口数少ないから誤解されやすいけど、悪い人じゃないので。信じてあげてください。そのうち稽古もやってくれますから」
「弟子にこうも助け舟を出される師匠がいるか。あいつはやはり水柱としての自覚が……、」
「まあまあ伊黒さん。義勇さんのことは後にして、稽古の話し合いしましょ?」


昼過ぎまで皆で話し合い、稽古開始は三日後からとなり、それぞれ準備のために解散となった。


書庫でころりと寝転がる光希。

「疲れたー…」

寝不足の為、まぶたが落ちてくる。


「光希、入るぞ」

宇髄が声をかけて戸を開けると、光希は畳の上で丸まって寝ていた。

宇髄は光希に布をかけてやる。
彼女は全く起きることなく、すやすやと寝ている。


「困ったな……」

用事があって来た宇髄はぽりぽりと頭をかく。
思いついたように、ふっと彼女に殺気をむけてみる。


すると光希はバッと目を開き、瞬時に飛び起きて身構える。己も殺気を放ち、即座に戦闘態勢に入った。


「……へ?天元さん?あれ、今…」

光希は状況を把握をして、殺気を消す。


「おお、凄いな。よく出来ました」

「騙された……。ってか、俺、寝てたのか」
「薄い殺気だったのに、よく気付いたな」
「そりゃ、気付くだろ。もう!普通に起こしてくれよ、寿命縮むわ」
「悪い悪い」

「何か用だった?」
「ああ、俺も帰るな。稽古の準備しねえと」
「うん。……え、そんだけ?」
「そんだけ。一応挨拶しとかねえとと思ってな。お疲れさん。お前も、しばらくゆっくりしろ」

「いや、俺も柱稽古行くから。鍛錬したいし」
「まじで?お前もやんの?甲なのに?」
「やるよ。楽しみだなー」
「ははは、しごいてやるよ」
「望むところだ」

光希は、ホッとしたように笑う。


「天元さん、ありがとね。柱稽古、お願いします」
「おう」
「死支度もちゃんとしといてよ」
「ああ」
「お疲れ様でした」
「お前も、頑張ったな」


宇髄は光希の頭をぽんぽんと撫でる。


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