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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第43章 覚悟 2


翌朝の柱合会議の前に、悲鳴嶼、宇髄と朝餉を食べながら打ち合わせをする。

「悲鳴嶼さん、駄目だ。こいつ、考えながらだとちっとも飯食わねえわ」

「あ、食べるの忘れてた」
「飯時に話し合ってはならぬのだな」
「お前、一つのことしか出来ねえのな。案外脳みそポンコツだよな」
「うぐぐ……」
「はは、光希は一生懸命だからな」
「悲鳴嶼さんは、優しいなぁ……」
「俺も優しいだろがっ!」


「柱の皆さんは、全員優しいです。優しいから、俺は心配だ……」

光希は手に持った小鉢を見つめて、苦しそうな顔をする。


「……光希」
「でも、皆めちゃくちゃ強いから。……大丈夫だ。俺が死なせない!」

そう言って、おかずを一気に口に放り込む。


「……うぐっ」
「おい光希、ゆっくり食べろ。そんなに一気にいくと喉に詰まって死ぬぞ」
「溺死の次は窒息死かよ。お前、生活の中で死の危険が多すぎるわ」

大男二人がため息混じりに光希を見つめた。



時間になり、柱が集まる。

光希は、一番前に座れと悲鳴嶼に呼ばれたが、全力で拒否して末席である無一郎の隣に座る。

師匠である義勇より前に座れるはずがない。
宇髄もやれやれといった感じで光希の隣に座った。


あまねが現れて、皆頭を下げる。


……やっぱりお館様、もう動けないんだ


光希は頭を下げたまま、顔をしかめる。


その後の流れで、痣の発現時の状況を無一郎が説明し、痣を出すことが柱の急務となる。


……心拍数二百以上、体温三十九度以上か。俺は死ぬな


不死川と義勇がもめそうになる中、光希はぼんやりと考えていた。



そしてあまねから告げられる、痣者の残酷な末路。二十五歳で皆、――死ぬのだと。

甘露寺も無一郎も平然としているが、何も感じていないはずがない。


そして、………炭治郎。

膝の上で握りしめている拳に、じわりと汗をかく。



……お前、知ってたのか?
それとも、これから知るのか?

大好きな友を思い浮かべて、険しい顔になる。


だが、ここの者たちは迷わず痣を出そうとするだろう。それは自分もそうだ。


あまねが退室した後、それぞれがそれぞれの考えを胸にしていると、義勇が去ろうとする。


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