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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第43章 覚悟 2


屋敷に着くと、悲鳴嶼と共に明日の申し送りをして解散とした。

夕餉を食べ、書庫に戻って宇髄と二人になる。
互いに胡座をかきながら、向き合って座る。


「さてと、天元さん、三日間お疲れ様。ありがとう」
「おう。お前もな」
「俺としては十分な仕上がりだと思ってる。期待以上だ。流石、宇髄天元、その能力に申し分なし」
「べた褒めじゃねえか。軍師様よ」
「俺の目に狂いはなかった。俺が凄いんだ」
「はは。……俺も、信頼関係は築けたと思うぜ」
「そうか。あんたが言うなら大丈夫だ」
「光栄だな」

光希はにこりと笑う。


「では、ここで解除します。数々のご無礼、失礼しました。宇髄さん」

「………別に、無礼じゃねえよ」
「もう大丈夫です。この先どんなことがあっても、俺達の信頼は揺らぎません。詳しい説明がなくとも、伝わるし、安心して背中を預けられます。よろしくお願いします」
「……おう」
「帰宅してもらっていいですよ。……あ、明日の柱合会議には来てもらえると助かります。あと、今後、悲鳴嶼さんと軍議をするときも、居てもらえると嬉しいです。その都度、鴉を飛ばしてもいいですか?」

「そんなの、当たり前だろ!」
「何を……」
「怒るに決まってんだろ!」
「……怒ることないじゃないですか。三日間って言ったでしょ?言葉だけ前に戻しただけです」

「…俺が今、何を考えてるか当ててみろ、光希」
「約束の期間が終わり、寂しいと思ってる。離れていく俺を、抱きしめたいと思ってる」
「正解」

「じゃあ、俺が今、何を考えているか当ててみてください」
「抱きしめられるのは困る。善逸と俺の嫁達に申し訳がたたねえ。だからこそ距離をとるべきだ、と思ってる」
「正解です」


「お互い、思考もわかるようになってきたなぁ」
「そうですね。近付き過ぎましたかね」
「いや、いい距離だろ」
「そうだといいのですが」

「俺は、お前の為に命懸けられるぜ」
「俺も、あなたの為に、秒で死ねます」


愛の告白のような言葉を、互いに交わし合う。
しかし、そこに恋愛感情はない。


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