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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第43章 覚悟 2


「光希ちゃん、ここはもういいよ。あとは、しのぶちゃんの診察受けるだけだから。炭治郎くんの所行っておいで。まだ…、寝てるけど」

甘露寺が光希にそう言って笑いかける。


「ありがとうございます。じゃあ、少しだけ。
あ、俺も一緒に戻るから、置いてかないでくださいね。俺、道わかんないんで」

「わかったよ。炭治郎くんは、突き当りの病室ね」
「ありがとうございます」

光希は立ち上がってお辞儀をして病室を出る。
廊下に出た瞬間、光希は走り出す。

「……素直じゃねえな」
「そして、なんだあの腰の低さは。鬼殺隊最高位のくせにあれでは……」
「すぐには無理よ、伊黒さん。光希ちゃん良い子だもん」
「僕は炭治郎が羨ましいな」

病室では、柱たちがくすくすと笑っていた。


光希は、炭治郎の部屋を静かに開ける。

ベッドに眠る炭治郎。
表情は穏やかで、ほっとする。
隣の椅子に腰掛ける。

「炭治郎……」

手をそっと握る。


「炭治郎、…やっと会いにこれたよ」

炭治郎の手は温かい。


「忙しい中、やっとこれたんだぞ。起きろよ。おい。炭治郎」

炭治郎はすやすやと眠っている。


「はあ……この居眠り石頭」 

光希は炭治郎の頭を軽くはたく。


「如月か…」
「ん?悪い、起こしたか」
「いや、起きてた」

隣でむくりと身体を起こす不死川玄弥。


光希は立ち上がって玄弥の隣の椅子に移動する。

「身体はどうだ、玄弥」
「なんでいきなり名前で呼ぶんだよ……」
「いいじゃん、俺も光希でいいし」

にしし、と笑いかける。


「炭治郎といい、お前といい…なんで俺の同期はこんなんばっかなんだ」
「大当たりの期でよかったなぁ、玄弥」

光希は玄弥の背中をべしべし叩く。
女の子が苦手の玄弥。どうやら光希が女だと知らないらしい。


「……玄弥、ありがとな」
「なんだよ」
「お前が居なかったら炭治郎、生きてなかったかもな。上弦二体は凄い。ありがとう」
「俺は何にもしてねえよ…時透さんと甘露寺さんが凄かったんだ」
「いや、お前も頑張ったんだ。じゃなきゃ、こんなに怪我してねえよ。お疲れ様」
「……おう」

光希は玄弥の肩をぽんぽんと叩く。


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