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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第43章 覚悟 2


光希はまた炭治郎を振り返る。

「なあ……、こいつ、ずっと寝てんの?」
「ああ。全く起きねえ」
「はぁ…、いつもいつもぐーすか寝むりこけてばっかりで…俺や皆に心配かけやがって…こいつ……。落書きしてやろうか、この面積の広いデコによ」
「おい、怒んなよ」
「いや、怒るね。こんなに怪我しやがって。こっちが、どんだけ…っ……ああもう、くそっ!」

光希は立ち上がって窓を開ける。


「泣くなよ」
「……泣いてねえわ」
「はは」

光希は玄弥を振り返る。
笑った玄弥を初めて見て、光希も笑う。

窓から風が入ってくる。


「なあ…玄弥、お前がここにいる間、誰か…お前に会いに来たか?」
「? いや、特には」
「そっか……」
「何だ?」
「いや、何でもねえよ」

窓辺に持たれながら光希が話す。


「良かった。俺、ずっと玄弥と話したかったんだ。やっと話せた」
「……何でだよ」
「同期で、お前だけ仲良くなってなかったから」
「俺は慣れ合うの好きじゃねえ」
「へぇ」
「……んだよ」
「の、割には炭治郎のこと気にしてくれてるなって。ははは」
「……馬鹿にしてんのか」
「してねえよ。ありがとって言ってんじゃん」
「ふん」

「玄弥、身体治ったらさ、俺と手合わせしてくれよ」
「俺は呼吸を使えねえ…稽古にならねえよ」
「知ってるよ。凄えなって思ってたんだ。呼吸なしで鬼と戦ってんだろ?絶対に凄えじゃん!だからさ、俺も呼吸なしの状態で稽古しようぜ。楽しそう!」

「俺が……凄い?何言ってんだ、お前」
「は?何か変か?」

呼吸が使えなくて馬鹿にされてきた玄弥はそれを凄いと言われて驚く。
遠回しに馬鹿にされたのかと思って問うが、光希に全くその気はないようで毒気を抜かれる。

「竹刀でもいいし、体術でもいいぜ!体術はでかいお前の方が強いだろうけど、俺も負けねえ!な。やろうな!」
「変な奴……」

玄弥は戸惑いながら、困ったような笑顔を浮かべた。

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