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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第43章 覚悟 2


「どうだい」

宇髄が声をかける。

「いいね。よく出来てる」
「そりゃどーも」

起きていることがわかっていたようで、光希は驚きもせずに紙を見たまま返事をする。


「あのさ、ここの蜜璃さんの訓練なんだけどさ……」

すぐに企画書に梃子入れを始める。
起きた直後から動く頭に感心する。

……こいつ、すぐ寝ちまうけど、少し寝かせればまた使えるのか


悲鳴嶼を起こさないように、また話を詰めていく。声を潜めているので、すぐ近くの距離だ。


今日で約束の三日目だ。
なんとなくの寂しさを覚えながら、宇髄は光希と二人、企画を練っていく。


大体出来たところで、ふぅと一息つく光希。

「あとは悲鳴嶼さんに見てもらおう」
「ああ。お疲れさん。少し寝ろ」
「いや、天元さんの方がお疲れ様でしょ。寝てよ」
「ここで寝ていいのかよ?」
「……駄目だけど、悲鳴嶼さんもいるし、二人じゃないからいいよ」
「じゃあお前と一緒に布団で寝るわ」
「じゃあ俺は畳で寝るわ」
「ちっ……」

「ほら、ころんして」
「子どもじゃねえんだ」

「頼むから、寝てくれよ。俺の都合であんたをひっぱり回してんだ。くたくたに疲れてんだろ。あの布団、使っていいから」
「別に、お前に命令されたからやってる訳じゃねえよ。俺の意思でお前にくっついてるだけだ。ほら、さっさと寝てこい。時間ねえぞ」
「わかったよ……。あんたも寝ろよ」

そう言って布団に倒れこむ。
また、速攻で寝る光希。


「羨ましいほどの寝付きの良さだな」

宇髄も畳に横になる。


……人のことばっか気にしやがって。くたくたに疲れてんのはお前だろ。馬鹿軍師


寝転びながら、そんな事を考える。宇髄にしては珍しく、そのまま眠りの世界に入っていった。

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