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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第43章 覚悟 2


翌朝、朝日が登る頃にうとうとし始める光希。

悲鳴嶼、宇髄と三人で、徹夜で軍議をしていた。
柱稽古をしたらどうかという光希からの提案で、話し合っていた。


「光希、寝るか」
「まだ、大丈夫……です。えと、稽古中の隊士の世話を…、…宿泊する……場所、」
「ああ、もう、そんなことは俺らで決めるっつの!大枠は出来たからもういい」

「うぅ……昼寝したのに…眠い……」
「仕方ない。お前は体力がないから。無理せず寝ろ」
「……はっ!何か、言いました?」

「駄目だ、こりゃ」
「うぅ……しっかりしろっ!」
「おい、光希、やめろ」

自分の頭をぽこぽこ叩く光希を悲鳴嶼が止める。

宇髄が布団を敷く。


「ほら、寝ろよ、光希」
「もう夜明けだからあまり長くは寝かせてやれないがな」
「……すみません、悲鳴嶼さん、天元さん……」
「気にするな。休め」

布団に倒れ込んだ瞬間眠りにつく。


「寝付きがいいな」
「赤子みたいだろ」

二人の大男が、覗き込む。

「可愛い寝顔なんだろうな」
「起きてると生意気だけどな」
「こんな子どもに背負わせ過ぎてる」
「仕方ないだろ。俺たちで支えてやろうぜ」
「ああ」

「……ふぅ。よし、詰めるか」


二人は机に戻る。
紙に書かれた光希の字が、最後の方はミミズのようになっていて、宇髄がぷっと吹き出す。

「ひどい字か。ギリギリまで頑張ったんだな」
「読めねえっつの」

二人は、計画をまた話し合っていく。


「勝つんだ…絶対に……」

布団の方から聞こえる寝言。


「わかってるよ、寝ろ!ガキ!」
「こら、そんなこと言うな」
「ふん」


一刻ほど経った時、光希は目を覚ました。

「はっ!軍議!」

キョロキョロと周りを見渡すと、机にうつ伏せて寝る悲鳴嶼と、壁に持たれて寝る宇髄の姿があった。

……俺、途中で寝ちゃったんだ。ごめんなさい

そっと机に近付く。


置かれた紙には詳細が書かれている。
少々癖のある乱暴な字は、宇髄の手によるものだろう。

光希は口元に手を当てながら、食い入るように読む。転がっていた鉛筆をとり、丸や線を書き入れていく。

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