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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第42章 覚悟


「お前、意外と女の子してんだな」
「うっさい」

「明日からは部屋の外で警備してやるよ」
「駄目だ、どうせ座ったままなんだろ。どこかの部屋で布団で寝ろ」
「寝るならこの部屋だ」
「ぐっ……」
「衝立でも立てて仕切るか」
「駄目だ。ねえ、本当に警備なんていらないよ。殺されるときは殺されるんだから」
「殺されちゃ困るんだっつの。……善逸連れてきて、一緒に寝るか?あいつでも、居ないよりは警備になる」
「……いや、返って危険だよ、それは」
「まあ、そうだな。十六の男は猿だからな」

苦笑いを浮かべる二人。


そこへ足音が聞こえる。

「宇髄様、如月様、朝早くにすみません。よろしいでしょうか」

光希がその呼び名に口元を引きつらせていると、宇髄が「入れ」と声をかける。一人の隠が入ってきて、二人に礼をとる。

「蝶屋敷からの報告で、深夜に霞柱様、先程恋柱様が目覚められたとのことです。不死川隊士も昨日、目覚めました」
「……竃門隊士は?」
「竃門隊士はまだ眠っております。容態は安定してるとのことですが」
「そうですか。お忙しい中こちらまでご報告ありがとうございます」
「いえ、滅相もございません!如月様」

再び、ぐっと喉を詰まらせる光希。


「慣れろ」
「時間かかりそう……」

「失礼しました!」と隠は走り去る。


「……炭治郎、いつも最後まで寝てる。寝ぼすけ。早く起きろよ、馬鹿たれ」
「会いにいくか?」

光希は首を横に振る。

「俺が行ったって、どうにもならねえよ」
「そんなことねえ。呼びかけてやれよ」
「それは、俺の仲間たちがやってるよ。俺には俺のやるべきことをやらなきゃな。炭治郎は、大丈夫だ」

光希は、ふぅと呼吸して、背伸びをする。


「鍛錬してえな。稽古つけてよ。片手でも十分俺より強いし」
「俺は稽古はつけねえ」
「なんで?」
「忍だからだ」
「ふうん、じゃ他の柱探そ。悲鳴嶼さんならやってくれるかな」


ここでも光希の鍛錬馬鹿は治らないようだった。

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