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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第41章 じいちゃん


「じいちゃーん!光希!ご飯出来たよっ」

善逸がにこにこと、顔を出す。


「うむ。ご苦労」
「ありがとう、善逸。運ぶの手伝うよ」
「うん、ありがと。こっち来て」

二人は台所へ向かう。


「じいちゃんと何を話してたの?」
「……いろんな事だよ。聞いてなかったの?」
「そんな野暮なことはしない。無意識に聞こえちゃうことはあるけど」
「そっか。……内緒です」
「ちぇ……俺だけ仲間はずれ」

「違うよ。善逸が起点なんだよ」
「ふうん」


台所で膳によそい、運ぶ。

部屋に戻ると、慈悟郎の座布団は先程光希が指摘した場所へずらされており、隣には誰も座らない座布団が置かれていた。


「あら、師範も同席くださるのですか?」
「どこかの誰かが、言い当てよったからな」
「なんのことやら。独り言でしたのでよくわかりません」
「曲者じゃのう」
「師範ほどではございません」


慈悟郎は立ち上がって自室に戻っていく。

善逸と光希は食事の用意をする。
光希は慈悟郎の隣の座布団の前に、湯呑を置いた。


準備が整うと、慈悟郎が酒を持って入ってきた。


「あれ?じいちゃん、飲むの?」
「ああ」
「お注ぎいたしますよ」

善逸と光希で半分ずつ、慈悟郎の杯に酒を注ぐ。


「いただきます」

三人は食事を始める。
野菜炒めと焼き魚。質素ながらも美味しい夕餉だった。

善逸の修行時代の話に花が咲き、賑やかな食卓。とにかく嬉しそうな善逸の顔に光希も終始笑みが溢れる。


食後、片付けをして、それぞれ風呂に入る。

最後に風呂をいただき廊下を歩いていると、善逸が声をかけてきた。

「じいちゃんが酒飲もうって。飲むだろ?光希も」
「うん。いただくよ」


髪を乾かしながら答える。

光希は善逸が使っていた着物を貸してもらって着ていた。寸法がほぼぴったりで、ほんのり善逸の匂いがしている。


光希は借りた部屋で、失礼のないよう髪を結ぶ。


「慈悟郎様、失礼いたします」

「おお、光希、座れ」
「はい」
「共に酒を飲もう」
「はい。ありがとうございます」


光希は善逸の隣に座る。

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