第41章 じいちゃん
光希が家に戻ると善逸はちょうどお茶を入れている所で、彼女を見てほっとした顔を浮かべる。
光希の分のお茶も善逸が用意してくれた。
「あ……あのね、じいちゃん……」
お茶を飲みながら善逸が話し始める。
「何じゃ」
「その……俺…、っつーか、俺たち、じいちゃんに報告したいことがあるんだ」
「何じゃ。お前、何かしでかしたのか」
「しでかしてねえわ!どんだけ信用ないのよ俺!あのさ……、」
ちらりと光希を横目で見ると、にやにやしながら面白そうに笑っている。
……こいつ、言いにくそうにしてる俺を見て面白がってやがる。くっそ。見てろよ!
善逸は、ふぅとひと呼吸つくと姿勢を正す。
「本日はご報告があって参りました!俺は、光希と婚約いたしました!どうぞご承知おきくださいますようお願い申し上げます!」
おお。しっかりと言えたじゃないか。
光希は満足気に微笑む。
「婚約……?」
「うん」
「……誰と誰が?」
「俺と、光希が」
「お前と、光希が、…………婚約?」
慈悟郎は信じられないようで、何度も繰り返す。
「なんだよ、じいちゃん……そんなに不思議かよ」
「不思議もなにも……お前たちは兄弟だったから……、いやぁ、たまげたわい。まさか、そんなことになろうとは。婚約、善逸が……」
「喜んでくれないの?」
「いや……、そうか、ははは、うむ!これは、嬉しいものじゃな。儂は嬉しいぞ、善逸」
「本当?じいちゃん嬉しい?」
「ああ。驚いたが、嬉しいぞ」
「良かった!へへっ」
善逸も安堵の表情を浮かべる。