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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第5章 蝶屋敷 1


「見てて思ったのは、カナヲと善逸の体力差だ。カナヲは全く息が上がらない。対してお前はバテすぎだ」
「なんだと!」
「こら善逸、ちゃんと光希の話を聞け」
「速さならお前は負けないはずなんだ。何かが大きく違う。根本的な部分で負けてるとみた」

「俺は?」
「炭治郎はやっぱり目だ。正直な性格が悪い方に出ちまってる。俺や善逸は嘘が上手いんだ。炭治郎は嘘の目線が出来ない。そして相手の嘘にはすぐに乗る」
「俺が苦手なやつだ」
「なら、速度を上げるしかないな。相手にバレても止められる前に抜ければいいんだ」
「なるほど」
「善逸は速さはあるけど、やっぱり呼吸が続かない。集中が切れた瞬間を狙われてた」
「まあ、確かに」


「つまり、走り込みだな」
光希は立ち上がる。

「体力があがれば呼吸を使える時間が伸びるだろ。それが全てとみた」
そう言って走りだそうとする。

「いやまて馬鹿か!貧血だろが」
「……あ」

慌ててとめる善逸。
「今日は駄目だ」掴んだ手をがっちりと握られる。

「……ちぇっ」

ふぅ…と一息ついて手を離す善逸。

「光希、じゃあ反射訓練につきあってくれるか?もう自主練しても怒られないだろ」

炭治郎が光希を誘う。走りに行かせないためだろう。「うん!」と光希が嬉しそうに頷く。

「善逸も来てくれ。光希と善逸が戦うところを見てみたい。参考になるかも」

炭治郎が善逸にも声をかけた。

「いいぜ。さっき偉そうな事ほざきやがったからなぁ。ぼっこぼこにしてやるぜ」
「やれるもんなやってみろや」

二人は火花をちらつかせながら訓練場にいった。


光希と善逸は湯呑を並べて指し向かいに座る。
呼吸を繰り返して集中を高める光希。

炭治郎が「用意、始め!」と声をかけた瞬間、高速で動き出す二人。

………速い!
炭治郎は必死で目で追う。

右、左、右後、右前、左前……

手の動きと共に炭治郎は光希の目を見る。
机全体に焦点を合わせ、ちらちら、と細かく動かしている。
一方善逸はキョロキョロとあちこちを見ている。だが、見た方と違う湯呑に手をかけたりもしている。

なるほど、予測で対応している光希と速さで対応している善逸。

炭治郎にも少しわかってきた。

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