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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第41章 じいちゃん


「この道歩くのも久し振りだなぁ」


桑島慈悟郎の家に向かう間、善逸はにこにことしていた。

柱になるまで会わないと言っていた彼だが、いざ行くとなったら嬉しくてたまらないといった感じになった。そのわかりやすさに光希の顔にも笑みが浮かぶ。



行く途中でお煎餅と米と花を買った。
不在の可能性もあるので、日持ちするものを手土産に持つ。
お煎餅と花は光希が持ち、米は善逸が持つ。善逸は光希の本も背負っているので大荷物だが、文句も言わずに山を登る。



「もうすぐだ」
「ああ」

嬉しそうに振り返る善逸に、笑顔を返す光希。


山の中に、一軒の小さな家が見えた。



「じいちゃん居るかな?」


善逸は、はやる気持ちを抑えきれずに早足になる。その足音が聞こえたのか、小さな老人が家から出てきた。


「善逸……か?」
「じいちゃん!!」


善逸は手に持っていた米を置いて、老人に向かって駆け出す。
善逸は泣きながら老人を抱きしめる。


「うわーん!!じいちゃぁーんっ!!会いたかったよー!!」
「どうした、善逸。どうして……」


桑島慈悟郎は突然の弟子の帰省に、驚いている。
善逸は、じいちゃんじいちゃん言いながら泣き続けている。

その様子を見ながら、善逸が置いていった米を持って光希が二人に近付く。
緩やかに微笑んで、慈悟郎に頭を下げる。


桑島慈悟郎は光希に気付き、ようやく理解した様子だった。

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