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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第40章 師範


二人は門をくぐる。

「変だな、庭木がきちんとなってる……」

訝しげに庭を歩き、玄関を開ける。


「只今戻りました」
「お邪魔いたします」

二人は誰も居ないとわかっていて、声をかける。


建物内は、確かに汚れてはいるが、想像よりは傷んでない。

「え?綺麗だぞ」
「何でだろ……明らかに人の手が入ってる……」

草履を脱いで家にあがる。


「慈悟郎様……か」
「え?じいちゃんが?」
「たぶんな。それしか考えられない」


そのまま廊下を進む。
光希は一室の戸を開ける。

そこには、背の高い大きな本棚が壁一面に置かれていて、ぎっしりと本が並んでいる。
善逸は驚いて目を見開く。


「す、凄い量の本だな」
「これが、俺の目的。兵法書を取りに来たんた。全部は無理だから、何冊か」
「兵法書……?」
「だいぶ忘れちまってるから。勉強のし直しだ」
「…………」

「やるからには、ちゃんとやらないとな。皆の命がかかってんだ」

「お前、総司令官、引き受けるのか」
「ああ、そうなると思う。まだ何もいわれてないけどな」
「あんなに嫌がってたのに……」
「……仕方ないさ」


光希は本棚に近付き、本を手に取る。

どこに何があるのかわかっているようで、「孫子と兵法三十六計だろ。あとは韓非子と……六韜は要るか?どうしようかな……」とどんどん出していく。


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