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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第38章 我慢大会


「さて、そろそろ寝ようかな」

光希がそう言って立ち上がる。


その時、また頭の傷がズキリと痛む。
座った体勢で全力の腕相撲をしていたので、疲労による立ちくらみもした。

その二つが重なって光希は「わっ」とバランスを崩す。


「お、おい、光希!」

咄嗟に立ち上がって、彼女に手を伸ばす善逸。
目の前にある文机に足をぶつけ、こちらもよろける。


ガタンと音を立てて二人は転び、善逸が光希を押し倒す形となった。




驚いた顔の善逸が光希を見下ろす。
同じく目を丸くしてる光希が善逸を見上げる。

頭を庇ったのだろう、善逸の左手は光希の頭の下にあり、顔は近く、お互いの足は絡み合っている。



どかなきゃ、早く!!

一瞬の後、善逸の理性が指示を出す。


しかし、動けない。


驚きの後に来たのは、興奮。耐えていた分、より大きなものとなって善逸を襲う。
ゴクリと唾を飲む。




すり抜けろ、早く!!

光希の脳も指示を出す。


身体を反転させて逃れようとしたとき、腕を抑えられ、足も動けないように絡めとられる。



「善逸……」
「……、光希……」

善逸が、猛りを帯びた目で光希を見つめ、そのまま顔を寄せてくる。


やばい、やばいぞ、これは……

光希は焦る。



しかし善逸は口付けすることなく、光希の肩口に顔を埋めた。


「はぁ、はぁ……、光希、……ごめん。早く、部屋に……っ、」


掴まれていた手や固定されていた足が開放される。



光希は身体を回転させて、すばやく善逸の下から抜け出す。


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