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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第38章 我慢大会


離れる善逸を見て、苦笑いを浮かべる光希。


「私、言葉変えようか」

「……いい。このままがいい」
「うん。善逸がそう言うなら」

肩が離れた代わりに、善逸が光希の手を握る。どこかくっついていたいのだろう。


「ひとつ聞きたいことがあるんだけど」
「何だ?」

「善逸、私が女って知らなかった?よね」

「あ、……うん。実は、鬼殺隊に入るまでな」
「まさかとは思ってたけど、わりと最近まで男だと思ってたのね。衝撃だわ」
「早くに言ってくれたらよかったのに」

「うーん、必要を感じなかったんだよね。私は男みたく振る舞ってたし、別になんの問題もなかったもん。勘違いしてんだろな、いつ気付くのかな、って思ってた。ね、いつ気付いたの?」
「炭治郎が……聞いたとき」
「あの時か。あはは、遅っ!しかも他力本願!」
「違っ……、確信がなかっただけで、その前に自分で気付いたよ!お風呂のこと、思い出して……っ、」


そう言って、赤くなる善逸。
光希の手をぱっと離して身体を背ける。



「……お風呂?」


光希は子どもの頃のお風呂を覚えていないようだ。


「ずっと昔に、俺とお前、一緒に風呂入ったの。……六つか七つくらいの時かな」
「……そうだっけ?」
「そん時、お前の身体見て、女じゃんこいつって思ったことを、夢で見てさ。で、一応気付いたんだけど、聞けなくて」

「え、じゃ、お風呂で見たのに、なんでそこからずっと男だと思ってたの」
「……見たあと、忘れちゃってたみたい」
「ぷっ!あはは!そんなことある?」
「俺も思い出したとき驚いたわ!」


「で、なんでそっち向いてんの。私の幼少期の身体に興奮しないでくれる?キモイよ」
「違えよっ!最近のお前の風呂を思い出してんだよ!」

「ちょっと!そっちも思い出さないでくれる?」
「仕方ねえだろ!」
「この助平!」


光希は布団の反対側へ行く。
距離をとってあげるのだ。



風呂ネタを出して自爆した善逸は、高鳴る興奮を必死に抑えていく。

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