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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第38章 我慢大会


善逸と光希は、たたまれている布団に持たれながら、肩が少し触れ合う距離で話す。


「我慢大会の優勝商品は?」
「あはは、そうだね……何がいい?」
「光希を一日、好きにできる権利」

「ふふ。そんなのもう、とっくに持ってんじゃん。しかも一日じゃないし」


このやり取りで、早くも脱落しかける善逸。


「危ねえ……」
「ほら、頑張って」
「ううっ……」




「今日は本当にありがとうね」

部屋に掛けられた着物を見て、光希が言う。


「男の人ってさ、女と買い物行くの嫌なんだと思ってた」

「………誰かと行ったことあんのかよ」
「ないけど。師範が言ってた」
「へえ……」

「でも善逸は一緒に選んでくれて、意見も出してくれて……、参考になったし嬉しかったよ」
「どういたしまして。光希との買い物は、楽しかったよ。女と買い物して初めて楽し……」


そこまで言って言葉を区切る善逸。
やば、といった顔をしてる。


「善逸も楽しかったなら、よかった」

全く気にせず笑う光希。


「……お前って、ヤキモチやかねえのな」
「そうかな。善逸が女好きすぎるからじゃない?」
「お前さ、俺に彼女が出来たりしたとき、何とも思わなかったの?嫌だなって思ったりなかったの?」


うーん……と考える光希。


「思わなかったよ。全く」
「……そうかよ」
「だって、兄弟だよ?別に恋人が出来ても、なんとも思わないでしょ」
「まあな」

「ただ……善逸が振られる度に可哀想だなって思ったし、相手の女の子に腹立ったな」
「腹立つの?」
「善逸はいい奴なのに、わかってねぇな、馬鹿だな、って思ってた」
「そっか……」

「男を見る目は、私の方があの子達より上よ」


そう言って光希が笑うから、また善逸は息を呑む。



「か、可愛いこと言わないで……」
「ほらほら、頑張れ」


善逸が光希から少し離れる。


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