第38章 我慢大会
⚠下ネタ注意!
苦手な方は読み飛ばしてください。
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「はぁっ!?お前、何言って……」
握った手の甲を自分の口にあて、顔を真っ赤にした善逸が言う。
「せっかく側にいられるのに、離れて過ごすより、私はくっついていたいよ。それで善逸が辛くなっちゃうのなら、私も頑張らなきゃってね」
「で……でも、お前……」
「うん。見た瞬間、……いろいろ思い出して吐いちゃうかも。そしたら善逸も傷付くから、どうしようかなって」
申し訳なさそうな顔をして光希は笑う。
光希は子どもの頃、老旦那に陵辱されていた。間違いなく、その手の事を強要されていたに違いない。
善逸はこれまで、ずっと気を付けてきた。
まぐわいの最中、出来る限り己自身が彼女の視界に入らないように、また、精液はすぐに拭き取って不快な思いをさせないようにしてきた。
「そ、そんなことしなくていいよ!」
「でも……離れてるのも寂しいよ……」
「ううっ……いや、お前にそんなことさせられない!」
善逸は大きく頭を横に振る。
「他の策は、……眠剤かな」
「みんざい……?」
「睡眠薬。危なくなったら口移しで飲ませる」
……え。こっわ。俺、眠らされるの?
善逸は冷汗を流す。
「副作用を考えると、これも最終手段だから。使わないよ。安心して」
光希は笑いかける。
善逸は、立ち上がって部屋に入っていく。
「……光希。入ってきて」
ためらいがちな善逸の声が、部屋の中から聞こえる。
「いいの?」
「うん」
光希は縁側から立ち上がって、部屋に入る。
部屋に入って戸を閉めると、手を引かれてそっと抱きしめられる。
「善逸……」
「俺も、一緒。側にいられるのに、離れて過ごすなんて嫌だ。くっついてたい」
「うん」
「避けたり突き放して、ごめんな」
「ううん」
「本当にいざやばいってなったら、離れるから。そん時はごめんな」
「わかった」
我慢大会が、本格的に始まる。
衝動的になってしまったらお終いだ。
なるべく善逸の男の部分を刺激しないように、冷静に動く。