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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第38章 我慢大会


お風呂から上がり、台所で水を飲んで身体の火照り覚ます。

つい考えすぎて長湯をしてしまったので、しっかりと給水する。



……夜風にあたりたいな


そう思うが、縁側には居間からしか行けない。
きっと善逸は居間に居る。



台所の勝手口から庭に出る。



外履き用の下駄を履いて、風に当りながら庭を歩く。下駄は共用なので、大きくて歩き辛い。

転ばないようにカラコロと音をさせて縁側まで歩く。



縁側に座って月を見上げる。
半分の月が浮かんでいた。

風に髪を揺らしながら、目を閉じる。


「……っ、」

また頭の傷が痛む。


……あ、薬。塗らなきゃ


そう思ったが、薬は居間に置いてある。


…ま、いっか。後で



「どしたの?どっか痛いのか?」


善逸がそーっと、居間から顔を出す。


「あ……、うん。頭がね」
「薬は…って、そっか。俺が居たから取れなかったのな。ごめん」
「いいよ。寝る前に塗る」
「駄目だ、すぐに塗れ。俺はどっかいくから」
「ありがとう」


善逸は居間から出ていき、入れ替わりに光希が縁側から居間に入る。


善逸から醸し出される緊張感が半端ない。
思わず光希も緊張感してしまう程だ。


手鏡を見て、薬を傷に塗る。


「善逸、いいよ。ありがとう」


そう声を掛けるとまた縁側に出ていく。




……これは、寂しいな


近くにいるのに、触れ合えない。
でも近付いたら、苦しめてしまう。
男は、女と違って触れ合いが性欲に直結してしまうようだ。


縁側で足をぷらぷらさせていると、善逸が出てきた。


「寂しすぎて、駄目だこれ」


自分が考えてたことと同じことを言うので、光希は笑う。


「作戦考えてよ」

「まあ、あるっちゃあるんだけど……」
「なに?」
「……最終手段だから。覚悟が、まだちょっと」



光希は、眉を寄せる。


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