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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第38章 我慢大会


……あいつ、大丈夫かよ


光希は走り去る善逸を見送る。



しかし、光希は少しほっとした。
ここに来ると高確率で抱かれていた光希。今夜は同衾無しで過ごせるようだ。

まだまだ不慣れな身体は、どうしても行為に痛みを伴う。もちろん嬉びもあるが、正直言って怖さもある。


そして、毎回抱かれると、ここに来るのはソレだけが目的なんじゃないか……という不安も出てくる。
行為なしでも側にいて欲しいと言われるのは、人として求められてる感があって嬉しかった。

先程までのぷんすかした気持ちは消え、にこにこし始める。



とりあえず、光希は今まで使っていた居間に行って、風呂敷を開いた。
たたまれている着物を、伸ばしながら衣紋掛けにかけていく。

居間に男物を掛け、掃除した部屋に女物を掛けた。


元々この部屋は、光希の部屋になる予定だった。自室が出来て嬉しく思う。

部屋に掛けられた二点の着物を見ていると、疲れと安心感から眠気がこみ上げてきた。



たたまれている布団に寄りかかって、猫の様に丸まってうとうとする。



風呂を沸かしてそのまま入浴し、光希に声をかけにきた善逸は、それを見てカマドウマの様に飛びずさった。



その時の善逸の叫び声で目を覚ます光希。

無防備に寝てんなよ!と言われ、そんなの勝手じゃん!と言い返す。


光希が一歩近付くと一歩後退る善逸に、こいつ本当にやばいんだろうな……と、男子の事情を思って少し気の毒になった。




お風呂でのんびり足を伸ばす。


もし……善逸の我慢が限界を超えてしまったらどうしよう。

なんとなく考える。



ひとつ頭に浮かぶものがある。

……が、多分無理だと思う。下手をすると自分と善逸の両方が深く傷付くという最悪の結果を招く。


でも……


いろいろと考えていると、頭の傷がズキズキと痛み出したので急いで湯船からあがる。



……まあ、善逸の我慢力に期待をして、極力近づかないようにしよう



とりあえず、結論はそこへ着地した。


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