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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第5章 蝶屋敷 1


「光希はどうしたんですか!本当に病気じゃないんですか?あんなに弱っている光希を俺は今まで見たことがない!」

アオイを責め立てる炭治郎。
アオイも困ってしまったが、至極プライベートな内容だけに、説明を躊躇した。

「とにかく、病気ではありません。休めば治ります!」
「でも……」
「そんなに気になるなら光希さんが起きたら聞いてみればいいでしょう。……叩かれても知りませんけどね」

叩かれる……何でだ?

炭治郎にはわからなかったが、とりあえず本人もアオイも病気ではない、と言う。炭治郎には信じられなかったが、これ以上は追求できないので、とぼとぼと自分の部屋に帰る。


部屋に戻ると善逸が飛び出してくるところだった。

「あ、炭治郎!伊之助から聞いた。光希が倒れたって本当かよっ?大丈夫なのか?」

すごい剣幕で炭治郎に掴みかかる。

「俺には大丈夫だと思えなかった。けど、アオイさんは病気じゃないから寝れば治るっていうんだ。今は部屋で寝てる」
「どんな感じだったんだよ。酷い状態なのか?」
「ええと、ふらふらーって感じで、顔はぎりりってしてて、腹押さえてこう、がーって……」
「ぜんっぜんわかんねぇんだけど!やめろ、その効果音!逆効果だ!」


男子が大騒ぎしてる頃、光希は目を覚まし、とてつもなくどんよりしていた。

……大ごとなってしまった。ただの生理痛なのに


光希は生理痛が重く、二日目まではかなり痛みが強い。鬼殺隊も緊急指令を除き、その間は任務を外してくれていた。
光希自身も気をつけていたのだが、今回はすっかり忘れていた。完全なる油断だ。

取り急ぎ、布団を汚してないか確認をし、厠でそれ用の処理をする。

部屋に戻って、横になりながら、心配しているであろう炭治郎への説明を考えている。

……炭治郎、女子の事知ってるかな。妹居るもんな。知ってるだろう


するとタイミングよく、「光希、起きたか?」と炭治郎の声がする。

「どうぞ」

そう言うと、静かに障子が開いて、心配顔の炭治郎が入ってくる。
炭治郎に続いて善逸も顔を出す。

「少しは良くなったか?」
「どうせまた馬鹿みたいに無理したんだろ」
「こら、善逸」


心配を色濃く見せる二人に、どうしょうもない程の申し訳なさがこみあげる。


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