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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第36章 準備


「わかった。けどさ、逢瀬も楽しみたい……」
「勿論!ちょこちょこ書き留めてると思うけど、気にしないでね!」
「わかったよ」

善逸は一応了承してくれた。



「さて、背中の刀二本隠しはいけるかな……」
「やってみる」

光希は自分の日輪刀を善逸に渡し、彼はそれらを背中に入れる。


「歩き辛いけど、何とかなるよ」
「うーん……、鍔外すか」
「なるほど」


光希は鍔を外す。


「もこもこしなくなった」
「見た目の違和感もなくなったね。これで行こう。ごめんね、二本は大変だよね」
「いや、一本も二本もあんまり変わらないぞ」
「そっか。了解」

二人は隠れ家を出て、手を繋いで歩き始める。


善逸は機嫌が治って、ご機嫌である。


「光希は本当にあの二人が好きなんだな」
「うん!大好き!善逸もでしょ?」
「……うん。好きだよ。うまくいくといいな」
「うん。大丈夫!任せて!」
「お前が言うと心強いな」
「そう?カナヲもそう言ってくれた」
「そうだよ」


……だから、軍師に向いてるんだろうな


善逸は心の中でそう思いながら、隣を歩く少女を見つめた。


街が見えてくる。


「まず、呉服屋さんでいい?善逸の退屈な時間の始まりだよ?」
「いいよ」
「あ、ちなみに、善逸の着物も買うからね」
「俺も?俺と炭治郎はいつもの格好でいいだろ」
「駄目です。いつもと雰囲気を変えるってのが初手なの。かっこいいのにしようね。洋装もありだな……いや、刀隠せないか……袴は必須だなぁ」


二人は呉服屋さんに入る。


とりあえず布を見て、薄紫色の羽織を仕立ててもらうように頼む光希。こだわりがあるようで、細かく注文している。

その間、善逸は店内を見て回る。
服屋さんにくるなんていつ振りだろうか。
背が伸びて着物が着られなくなり、部屋着を買ったのもだいぶ前だ。


前回の逢瀬もお互い隊服だったことを思いだす。



流行りが随分変わっているようで、善逸はついきょろきょろしてしまう。

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