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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第34章 伊之助


善逸が伊之助を探していると、彼は稽古場で鍛錬していた。

「おう、紋逸!戻ってきたのか!」
「ああ。……お前はいつになったら俺の名前を覚えんだよ」
「あいつ、大丈夫なのか。やばいことになってたんだろ。ここのやつらが騒いでた」
「光希か。うん。大丈夫だよ。今、ここに来てるよ」
「本当かっ?稽古してえな!」
「だから、体調崩してたの!駄目なの!わかる?」
「ちぇ……」
「今からお前を連れてくけど、絶対稽古に誘うなよ!絶対だぞ!」
「わかったよ」


善逸は伊之助を連れて光希の部屋に行く。

「あいつ、何で熱出したんだ?」
「うーん……」

詳しくは言えないな……、と思う。

「いろいろ、疲れが出たみたいだな」
「いろいろって何だ?」
「さあ……」
「まあいいけどよ。あいつに会うのは久しぶりだ」
「この間はすれ違いだったもんな」


部屋の前につく。


「光希、入るぞ」

善逸が戸を開けようと思う前に、先に開かれる扉。


「伊之助!」
「おお!光希!」

……え、こいつ今、名前で呼んだ?


「伊之助、久しぶり!元気だったか?」

満面の笑みを伊之助に向ける光希。


「お前、死にかけてたんだってな」
「大袈裟だな。ちょっとへばってただけだって」
「これかよ、頭の傷」
「ああ。もうへっちゃらだ。入ってきて」

二人の距離の近さに、ムッとする善逸。


男子達に椅子を勧め、三人分のお茶を入れる光希。
見るからに上機嫌だ。

お茶を飲むために猪頭にを取る伊之助。彼の美しい顔が現れる。


「この部屋来んの久しぶりだ」
「そっか」
「あん時以来だ。お前がここで、俺に抱きついて……」
「わーー!!言うなっ!それ駄目なやつ!」

慌てて伊之助の口を塞ぐ光希。
顔を赤くしている。

「何すんだよ。紋壱に聞かれちゃ駄目なのかよ」
「駄目だ!言うなっ!しーっ!」


光希は必死に伊之助を止める。


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