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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第27章 合同任務 2


避けてはいるが、じわじわと体力が削られていく光希。腹部からの出血は呼吸で止めているが、他にも数か所傷を負った。


……このまま死んだら意味がない!なにか、やらないと



その時、ドン!という音と共に人間が降ってきた。

隊服の上に羽織った白い上着に、殺の一文字が見えた。


「ここの管轄はあなたでしたか……不死川さん。ご無沙汰してます。喧嘩以来ですねえ」

「ちっ、死にかけてる隊士ってぇのは、テメェかよォ」
「遅いですよ……死ぬところでした。こいつの血鬼術、吸わないでください。扇の攻撃範囲は予測の三、四倍と思ってください」


「わあ!柱の登場だ!今日の俺はついてるなあ」


「怪我はァ」
「動けます。……が、短時間かと」

「なら、短時間でぶっ殺すぞォ!逆転で付いてこい!付いて来られないならてめえは用無しだァァ!」
「うるせーですよ!言われなくても付いてってやらあ!!」


二人は童磨に飛び込んでいく。

人間としては仲良くなくても、呼吸の合わせは悪くない。ただ、喧嘩してしまった為一度しか共闘していないので、そこは不安材料ではある。


不死川は初めから飛ばしていく。技の連続だ。光希は驚いたが、とにかく隙を狙って技を乗せていく。


……柱は皆、体力お化けかよ


ただ、首には届かず、一瞬のうちに回復されてしまう。


「ちっ……クソがァ……」

童磨の強さに不死川にも焦りが見えはじめる。


「はぁ、はぁ、このクソ野郎!死にくされ!カスがァァァ!」


広範囲の技で童磨の血鬼術を飛散させながら、首を狙う。しかし「わあ!凄いね」と余裕で童磨は躱し、反撃の扇を降る。


その時、不死川が一瞬ふらりとした。疲労と酸欠による脳貧血だった。

「…ーーっ!!」

不死川に童磨の扇が迫る。


……やべっ!

そう思ったとき、「実弥さんっ!!」と声がして、童磨の扇がカンッと弾かれた。
それは弱いものだったが、不死川が身体を立て直して扇を避けるには十分だった。


ちらっと視線を送ると、息をきらした光希。

童磨の横にはいつも光希の腰元にあった鞘が転がっている。

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