第27章 合同任務 2
「可愛い隊士だねえ。ふふっ。たまにいるんだよね、こういうごちそうが」
「ふぅ、……どうも」
「あれ、凄いね。震えがもう止まったの?子どもなのに、やるねえ」
「それほどでも」
じり、と童磨が、近付く。
光希は一歩下がる。
「君じゃ俺に勝てないよ。無駄なことしないで早く食べられなよ」
「やってみないとわからないだろ」
「じゃ、やってみよっか」
童磨が光希の所へひゅっと近付く。
反射的に光希は身体を回転させて避け、反撃を狙う。
「わあ、立派立派。反撃しようとするなんて。……でもね、まずはちゃんと避けなきゃ」
途端に横っ腹から血を出す光希。
「ぐうっ……!」
――…なんでだ?!避けたはずだ!
「俺、上弦だよ?攻撃範囲かなり広いよ。紙一重じゃ避けられないよー!」
童磨は楽しそうにしている。
光希はしっかりと刀を構えて童磨を睨みつける。
「あれえ?まだ諦めないの?無理だって言ってるでしょ!」
「諦めない!俺は絶対に諦めない!諦める理由がないからな!」
「諦める理由は、弱いからだよ」
「じゃあやっぱり理由にはならない。俺は弱くないからだ!」
粘れ!諦めるな!
上弦が出現したとなれば、必ず柱が動く。柱が来るまで耐えるんだ!
相性の良い柱がきてくれればなんとかなる!
光希はそう己を鼓舞しながら、童磨からの攻撃をひたすら避ける。
何か役立つ情報はないかと考えながら。