第27章 合同任務 2
「なんだあ?ここらで暴れて鬼殺隊の奴らを呼び寄せろって言われたんだが、何でもういるんだよ?」
……言われた?
光希がピクリと反応する。
大きな鬼が二人に近付く。
禍々しいその姿に善逸の呼吸が恐怖で乱れる。
「……さあ、偶然だよ」
光希が答える。刀をしっかりと構えている。
「……足りない」
「何がだ」
「お前ら、二人だけか?」
「さてね」
「もっと多いはずなんたが……」
「どういうことだ?はっ、まさか……、村人じゃなくて、俺たちが狙いなのかっ?」
「そうだ!驚いたか。俺はな、あと少し鬼殺隊の奴らを殺せば上弦になれるんだ。……だが、お前らみたいなガキを殺しても意味あんのかな……」
「そんな……村人を襲っていたのは、それを隠すためか……まんまと呼び寄せられた……くっ…」
ほとんど予想通りなのに、わざと驚いた振りをする光希。演技派である。
「ははは!!騙されやがったな!まあこんなガキでもやらないよりマシだ。とっとと殺されろ。そして俺は柱を待つ」
「柱も、だと……?くそ…、鬼にもこんなに賢い奴がいるとは……」
「へへへ、賢いあの方に付いてきて良かったぜ」
……あの方?
光希が確信を得る。
『善逸、もう一体いるぞ。気をつけろ』
小さく囁く。
「ん?お前、何か言ったか?」
「いや……念仏だよ」
「信心深いんだな。ひと思いに殺してやるぜ」
鬼が振りかぶって光希を攻撃する。
「光希っ!!」
光希は攻撃の反対側に飛び退き、鬼の腕に一撃を入れる。
そこに合わせるように善逸も動き、足を狙って一撃をかすめる。緊張しているものの、身体は動き始めたようでほっとした。
「ぐうっ……なんだっ!」
「ちぃっ!硬いな」
「足もだ!」
「お前ら、何者だ?」
「見たまんま、少年剣士だよ」
「如月!我妻!」
「お早いお着きで、先輩!」
「こいつか、でかいな」
「上弦一歩手前の鬼です。通常攻撃はたやすく弾かれます。馬鹿だけど強いです!」
「なんだと!……てめえら。ただのガキじゃねえな」
「いや、ただのガキだよ。見てわかるだろ。本当に馬鹿だなお前」
「このやろ!!」
光希はわざと挑発して、攻撃対象を自分に向けている。