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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第26章 合同任務


「でも、全くの想像で話している。情報が足らなさ過ぎる。見当違いの可能性も大いにある」

光希は眉を寄せる。

「この鬼は、かなり賢いのかもしれない……」

「……いや、お前も賢いぜ。噂以上だな」
「ああ。異例の速度で出世していくのもわかるぜ」
「俺はお前の考えに従うよ」
「俺もだ」

水と風の隊士はそう言った。


「ありがとうございます」

光希がにこりと微笑むと、二人は顔を赤らめた。

「配置は二箇所に分けましょう」
「分ける?」
「一箇所に全員集まるのは得策ではない。市街地にも隊士を置く。三、二……いや、どっちに……風、水……」

地図を見ながらぶつぶつと呟く光希。



「あなた方、知り合いですもんね」
「え?ああ。俺たち二人は同期だが、どうしてそれを?」
「見ていればわかります。風と水で相性もいい。お二人で市街地にお願いします」
「わかった」

「で、俺と善逸で本命の村外れ」
「わかった」

「あなたは……この場所で」
「二箇所の間、か」
「はい。どちらに出現しても向かえるように。また、全く違う場所に出ても、ここにあなたがいれば対応可能かと。戦闘能力でいえばこの中であなたが一番高い。お願いします」

「……おう」


場がしん……となる。

「ふう……少し疲れました。酸欠だ」

光希は立ち上がって伸びをする。


「ちょっと時間をください。あ、そこのお茶は飲まないでくださいね。村長は今のところ我々の敵さんです」


光希は部屋の反対側に行き、窓の縁に手をかけて外を見ている。


休憩しているようで、まだまだ頭を使っていることがよくわかる。

策を提案する者は、責任も負うことになる。失敗した時の事を考えると提案するのも勇気がいる。


でも光希は躊躇しない。失敗したら腹を切る覚悟で毎回こうしてしたくもない提案をする。自分と仲間が生き残るために。

そんな光希を自慢に思う善逸だった。



風に吹かれながら思案する光希の姿に、部屋の誰もが見惚れた。

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