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雷鳴に耳を傾けて【鬼滅の刃】我妻善逸

第26章 合同任務


「この、三つの殺害場所を話すときも、噓の音がしてた」
「そうか……場所が不明となると、今日の出没予想場所もわからない……くそっ…。目撃者からの裏取りできないのがきついな。
どう配置して迎え打つか……鬼は一体とは限らないし…、うーん……」

光希は眉をよせて考え込む。
立ち上がって窓辺へ歩を進め、外を見た。二階の部屋なので、村の様子が少し見える。

窓から風が入り、光希の髪を揺らす。
風に誘われるように、彼女の目が開かれた。


「……いや、違うな。俺たちじゃない」

「ん?どうした、光希」
「本当の狙いは、俺たちじゃないのかもしれない」
「え、でも、」

「鬼の出世がどんなもんか知らないけど、隊士を数人殺したところでたかがしれてる。狙いは……柱なんじゃないか?俺たちが死んだり苦戦したりすれば柱が来る。しかも柱は隊士を守りながら戦うから、単品で来られるより、足手まといとなる隊士や村人を背負わせて戦わせる方が倒しやすい。俺が鬼ならそう考える」

光希は一気にまくしたてた。
喋りながら皆のところへ戻って来る。

「俺たちや村人をいい感じにいためつけ、柱を待つ。ならば、派手にやりたいだろうから、村の人口密集地……この辺りに来るか」

光希は、地図を指差す。
話を続ける。


「いや……でも、村長に期待を寄せるならここ。建物が少ない。村長が鬼と上手く取引できていれば、村の被害を少なく戦わせるはず」


「如月、ここの可能性は?建物少ないぞ」
「そばに川があります。おそらくこの村の生活用水だ。水を汚されるのは死活問題だから、俺が村長なら川付近は避けるよう鬼と交渉する」

「この屋敷周辺の可能性は」
「今のところ、ありません。村長は協力者だから攻撃対象にはならない。でも、鬼は信用できない。利用価値がなくなればすぐ殺されるだろうな。その際、屋敷が襲われる可能はある」


「市街地と、村外れ……どっちだ光希」
「……俺は、村長に賭けたい。悪い人じゃない、はず。市街地は避けてくれる。ここだ」


光希は、戦闘になっても被害の少なそうな地を指す。

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